第4回アジア産業衛生ネットワーク学会の報告

日本からの参加者人数と発表数

参加者数は、全体で250名、国別でみると現地タイが最も多く、次に韓国から約50名,台湾から約40名、日本人からは36名(5メーカー含む)でした。日本からの発表件数は、基調講演1件(JNIOSH 鷹屋光俊先生)、口頭発表4件、ポスター発表9件でした。また、ポスター発表では、ウシオ電機の内藤敬祐氏がポスター賞を受賞されました。

トレーニング・コース「認定インダストリアル・ハイジニスト試験準備のための講義」

2019年11月9日~10日に、ANOH主催のトレーニング・コースが実施されました。約50名のアジア諸国で化学物質の管理を行っている実務家達が参加しました。講義範囲は、労働衛生統計、エアロゾルのサンプリングと分析、ガスと蒸気のサンプリングと分析、騒音と振動、放射線でした。実際の現場データを用いた計算と評価方法だけではなく、専門家としての心構えについてもレクチャーがありました。

アジア産業衛生ネットワーク学会

2019年11月11日~12日の基調講演のタイトルを、表1に記します(筆者和訳)。

基調講演1 これから10年のアジアにおける労働衛生
基調講演2 東南アジアにおける温熱・寒冷の許容限度
基調講演3 体質差・環境差を考慮したアジアにおける許容限度の確立
基調講演4 労働衛生:アジア諸国における課題と成功
韓国、台湾、インドネシア、オーストラリア、タイ
基調講演5 ラジオ波磁場および超低周波磁場に焦点を当てた電磁場に関連する潜在的な健康リスク
基調講演6 ナノ粒子とPM2.5粒子のばく露評価
  • 環境測定と個人曝露測定による職場でのナノ材料ふん塵への曝露リスク評価
  • 改良型電気エアロゾル検出器によるカーボンブラック取扱い作業者の様々な気道領域へのナノ粒子曝露予測
  • 光触媒とセメントを用いた模擬建設作業中の空中浮遊ナノ粒子曝露
基調講演7 オキュペイショナルハイジーン:最も良い事例&革新的な事例
  • タイの化学工場での暑熱ストレス管理の最適化
  • 韓国にいる全ての人々へ向けた職場健康安全の改革
  • 電子部品と関連部品製造業におけるナノ粒子の定量的評価
  • 産業衛生技術とモニタリングの過去・現在・未来
  • 安全性の継続
座談会 アジア圏におけるオキュペイショナルハイジニストの輝かしい未来

4th ANOHの様子


トレーニング・コースの様子

基調講演

ANOHボードメンバーによる座談会

ANOH日本人交流会

次回のアジア産業衛生ネットワーク学会のご案内

来年は、国際産業衛生学会(2020年10月17-22日、韓国 大邱)内でのANOHセッションとして実施いたします。

労働衛生工学最高峰の学会に、九州に行く程度の距離移動で参加できる機会です。多くの方のご参加をお待ちしております。

(文責:株式会社環境管理センター 飯田裕貴子)